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お客様からのご指摘を「処理」しようとする会社は、沈む

クレームゼロクレーム対応

※弊社は世間一般でお客様からのご指摘と呼ばれている事柄を「ご指摘」と表現しています。

お客様からのご指摘は誠意をもって「対応」するもの
例えば、就職したいと考えている会社が、将来性がある良い会社なのか。取引先の会社は、これから成長が期待できるのか。いまはネットで調べれば、簡単になんらかの情報を得ることができますが、それは「誰か」の知見やものの見方です。それを参考にしながらも、自分自身で実際にその会社のよしあしを見抜く”確かな目”を養っていくことが大事です。

経営の格言の一つに、「クレームの対応で会社の値打ちが決まる」という言葉があります。
ご指摘に真摯に対応することは、どんな業種においても企業の絶対原則と言えます。ご指摘の大半は、人の対応によって起こります。買った商品に不具合があったとしても、それに対して納得のいく対処をしてもらえたら、不満は解消します。真摯に、できる限りのことをしますという誠意が伝われば、許していただけるどころか、「対応がとても気持ちがよかったので、これからもお宅の商品を買いたい」とファンになってくれることも少なくありません。
「あそこの商品はもう二度と買わない」と言うようなアンチの人を生んでしまうか、ご指摘をきっかけとしてファンになっていただけるかは、その場でどう対応するか次第なのです。

ある会社のパーティーの席のスピーチで、ある銀行の常務さんが、「クレーム処理」という言葉を使っていました。その瞬間に私は「この銀行はダメだ」と思いました。お客さまに応対することを「処理」と表現する姿勢に、大きな感覚のズレを感じたのです。処理とは、ものごとに始末をつけること。役員レベルの人が平然とそういう言い方をしているということは、この銀行がお客さまの声にどう向き合っているか、自ずと分かります。
ご指摘は、「処理」するのではなく、誠意をもって「対応する」ものです。

また、あたかもいいことのように「クレームゼロを目指そう」というスローガンを掲げる会社があります。これは、ダメな会社の典型です。「ミスゼロを目指そう」「事故ゼロを目指そう」というのは、社内で働く人の意識の問題ですから、注意喚起することで減らしたり、なくしたりすることができます。それは業務の改善にもつながります。それにより、ご指摘が減ることは当然、良いことです。しかし、ご指摘ゼロは本質的に別物です。なぜなら、ご指摘はお客さまが感じることだからです。こちらがゼロにしようとして勝手にできるものではないのです。それをスローガンにし、「どうだ、クレーム件数は減っているか?」と言われても、現場で働く人たちは困ってしまいます。その挙句どうするかというと、お客様からご指摘が寄せられても、「上には伝えずに隠そう」ということになります。報告したら怒られたり評価が下がったりしてしまうから、なかったことにする。握りつぶそうとしてしまうわけです。
最悪です。

「うちは、半年間クレームが1件もありません」なんて言っているのは、そういう実態が分かっていない会社です。事業を続けている限り、お客様からのご指摘は必ず発生します。

何かで「隠そう」「隠しておけばいいや」という隠蔽体質ができてしまうと、他のことでも隠すようになっていきます。さまざまな不正の温床になっていくのです。お客様からのご指摘をなくしたがる会社は、「お客様からのクレームは良くないものだ」という固定観念があるのです。その考え方がすでに違っているわけです。一部のクレーマー体質の人は別として、一般のお客様からのご指摘というのは、自分が価値に見合うものを得られなかったという不満からきています。

そこで今回皆さんにお教えしたいのは
その価値の基準となるのは何かということです。
それは

「QPS」です。
「Q=クオリティ、P=プライス、S=サービス」。
お客さまはこの3つの兼ね合いで判断しています。

どんな商品でもクオリティは高いほうがいいに決まっていますが、そのクオリティも値段次第です。100円ショップの商品に、ブランド商品と同じだけのクオリティを望んではいません。「100円にしては十分なクオリティだ」と判断するから買ってくれるのです。ファーストフード店に、サービス料をきっちり取る飲食店のようなクオリティとサービスを求めないのも同じです。

お客さまは、自分が買った商品、受けたサービスに対して、見合うだけの価値がないと感じるときに、不満を感じます。なかには、ご指摘を申し立てるお客さまもいます。ですから、お客さまが何にどんな不満を感じたのか、どんなことに怒っているのかを知ることは、まさにお客さま視点でのリアルな要望を知る好機、チャンスなのです。

お客様からご指摘を受けるということは、お客さまとの絆がつながる絶好の機会です。その精神が、お客様からのご指摘はチャンスの宝庫なのです。

2020年1月15日