カスハラ防止法で企業がやるべきこと|相談窓口設置のポイントと実務対応

カスハラ防止法で企業がやるべきこと──相談窓口設置のポイントと実務対応

2022年のパワハラ防止法施行をきっかけに、企業の「ハラスメント対応」への意識は急速に高まりました。そして今、企業が直面しているのが「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対応です。
厚生労働省が指針を示したことで、カスハラは“新たな企業リスク”として正式に認識されつつあります。
この記事では、カスハラ防止法(および各自治体の条例)を踏まえ、企業が今すぐ取り組むべき対応策──とくに相談窓口の設置ポイントをわかりやすく整理します。

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カスハラ防止法の位置づけと企業の責任

現時点で「カスハラ防止法」という単独の法律は存在しません。ただし、2022年に施行された「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」では、職場でのあらゆるハラスメント防止が企業の義務とされています。
厚生労働省は同年、「カスタマーハラスメントに関する指針」を公表し、企業が従業員を保護するための措置を講じることを求めました。
つまり、カスハラは“法的に対応が求められる対象”へと位置づけられたのです。

企業は、従業員を顧客からの不当な言動から守る「安全配慮義務」を負っています。これは単なる倫理的な配慮ではなく、法的リスクを伴う経営課題といえます。

自治体レベルでも広がる「カスハラ防止条例」

東京都をはじめ、全国の自治体でもカスハラ防止条例の検討や制定が進んでいます。
自治体が率先して取り組む背景には、公共施設や医療・介護現場などでの深刻な被害の増加があります。
今後、企業にも“地域単位での防止努力”が求められる時代になるでしょう。

企業がまず取り組むべき3つのステップ

まずは社内方針の明文化から始めましょう。
「お客様の意見は真摯に受け止めつつ、暴言・威嚇・人格否定的な言動は許容しない」と明記し、従業員に周知します。

次に対応マニュアルの整備です。
カスハラ発生時の初動手順、エスカレーションルート、警察・弁護士への相談基準などを具体的にまとめておくことが重要です。

そして3つ目が相談窓口の設置
被害を受けた従業員が安心して声を上げられる環境が不可欠です。
「社内で報告しづらい」「上司が関係者」というケースも多く、外部相談窓口の導入によって初めて安心して通報できる仕組みが整います。

外部相談窓口のメリット

外部機関を窓口とする最大の利点は、中立性と匿名性です。
社内の人間関係や立場に左右されず、従業員の声を客観的に受け止められます。
また、外部機関が一次受付を担うことで、現場の混乱や情報漏えいリスクを防止できるのも大きなメリットです。

CWSでは、企業ごとの業種や規模に合わせた相談窓口代行サービスを提供しています。
小規模事業者でも導入しやすく、初期設定から運用まで一括で支援しています。

まとめ

カスタマーハラスメント対策は、単なる「現場対応マニュアルの整備」ではありません。
それは、従業員を守り、企業の信頼を守る“経営課題”です。

どれほど優れた商品やサービスを持っていても、現場の従業員が不当な言動にさらされ、疲弊してしまえば、企業全体の対応品質やブランド価値は確実に低下します。

経営層が率先して「暴言・威圧・人格否定的な言動は許容しない」という姿勢を示し、社内外にその方針を明文化することが、まず最初の一歩です。
そして、従業員が安心して声を上げられる環境を整えることこそ、組織を持続的に成長させるための“土台”になります。

CWSでは、企業と従業員の双方を守る外部相談窓口・お客様相談室代行を通じて、中立性と匿名性を担保した「安心して話せる仕組みづくり」を支援しています。
「カスハラ防止の方針を社内に根付かせたい」「現場の声をきちんと拾いたい」――そんな課題を感じている経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
組織の信頼を守り、従業員が誇りを持って働ける職場づくりを、私たちと一緒に実現していきましょう。

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