あなたも加害者になっているかも? “正当なクレーム”と“カスハラ”の線引き

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1. クレームって、本来は「ありがたい声」

お店やサービスを利用していて「ここは直してほしいな」と思うこと、誰にでもありますよね。
そういう声は、企業にとってはサービスを良くするための大事なヒント。

  • 商品の不具合を知らせる
  • 店員さんの対応について改善をお願いする
  • 「この手続き、ちょっと分かりにくいよ」と伝える

こうした声は本来、社会を前に進めるありがたいクレームなんです。


2. でも、行きすぎると「カスハラ」に

一方で近ごろ問題になっているのが「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。
クレームの形をしていても、実際は “相手を攻撃するための言動” にすり替わってしまっているケースです。

よくあるカスハラの例

  • 「土下座しろ!」といった人格攻撃
  • 何時間も電話を切らせない
  • 過剰な補償やタダを要求する
  • プライベートにまで踏み込む

ここまでいくと、もう「サービス改善のため」ではなく「相手を追い詰めること」が目的になっています。


3. どこで線を引く?チェックポイント

「これは正当なクレーム?それともカスハラ?」を見分けるポイントは3つ。

  1. 伝え方は冷静か
     怒りを伝えるのはOK。でも暴言や威嚇はアウト。
  2. 要求は妥当か
     実際に受けた不便や損害に見合っているか。
  3. 時間や回数は常識の範囲か
     同じ要求を何度も繰り返したり、長時間拘束していないか。

この3つを意識するだけでも「正当な声」と「カスハラ」の違いが見えてきます。


4. 社会が本気で動き出した

2025年には大きな変化がありました。

  • 東京都でカスハラ防止条例が施行(4月)
     顧客・事業者・従業員それぞれの責任が明文化されました。
  • 国でも法律改正(6月)
     事業者にカスハラ対策を義務づける流れがスタート。全国的に広がっていく見込みです。

つまりこれからは、「お客様だから何を言ってもいい」時代は終わり
消費者にも「伝え方のマナー」が求められるようになってきています。


5. もしかして、あなたも…

自分では「正しいことを言っている」つもりでも、

  • 怒りに任せて言い過ぎていないか?
  • 解決より「謝罪させたい」気持ちが強くなっていないか?
  • 相手を困らせて満足していないか?

…気づかないうちに、誰でもカスハラ加害者になりかねません。


6. まとめ:建設的な声を届けよう

正当なクレームは、社会を良くするための大切な意見。
でも伝え方を間違えると「ハラスメント」になってしまいます。

これからの時代は、

  • 冷静に事実を伝える
  • 妥当な範囲で改善を求める
  • 相手も人間だと忘れない

そんな姿勢が求められています。
「言い方ひとつ」で、相手を動かす声にも、人を傷つける刃にも変わります。

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