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クレーム・苦情・コンプレインの違いについてわかりやすく解説

用語解説

「クレーム」「苦情」「コンプレイン」……似たような意味で使われがちなこれらの言葉、実は微妙なニュアンスの違いや使い分けが存在します。我々のようなお客様の声を直接扱うような会社や部署では全体として「ご意見」という言葉を多いと思いますが、今回の記事では、「クレーム」「苦情」「コンプレイン」それぞれの言葉の由来や本来の意味、具体的な使用例を交えながら、その違いを分かりやすく解説します。

言葉の由来とニュアンスの違い

「クレーム」「苦情」「コンプレイン」は、いずれも不満を表す言葉ですが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。言葉の由来や使用される場面、そしてそれぞれの言葉が持つ本来の意味合いを理解することで、より適切に使い分けることができます。

クレーム

「クレーム」は、フランス語の”réclamation”(クレーム)を語源とする外来語です。日本では「要求」「主張」という意味で使われることもありますが、一般的には企業やサービス提供者に対して、商品やサービスの不備や欠陥などを指摘し、改善や補償を求める行為を指します。

クレームの本来の意味は「企業への要求」

クレームは、企業側に対して何らかの行動を要求するニュアンスが強く含まれています。例えば、商品の交換や返金、サービスの改善などを求める場合に用いられます。商品やサービスの品質に問題があり、それに対する具体的な是正を求める場合に「クレーム」という言葉が適切です。 国民生活センターの相談事例を見ると、具体的な要求を伴う事例が多く見られます。

本来、「クレーム」は「主張」「要求」といった中立的な意味を持つ言葉でした。しかし、近年では「苦情」と混同して使われることが多く、ネガティブなイメージが強くなっています。本来の意味を踏まえると、必ずしも悪い意味を持つ言葉ではないことを理解しておく必要があります。例えば、レストランで注文した料理と違う料理が提供された場合、「注文と違う料理が来ました」と事実を伝えることも、広い意味ではクレームと言えるでしょう。

苦情

「苦情」は不愉快な気持ちや不満を相手に伝えることを意味します。クレームと比較すると、感情的な表現が含まれることが多いのが特徴です。

苦情は「不満の表明」

苦情は、サービスや商品に対する不満の表明であり、必ずしも具体的な要求を伴うとは限りません。例えば、「店員の態度が悪かった」「商品の説明が不十分だった」といった、サービスに対する不満を表す際に用いられます。単に不満を吐露するという意味合いが強い場合に「苦情」という言葉が適切です。

苦情は、企業やサービス提供者に対してだけでなく、様々な場面で使用されます。例えば、近隣住民とのトラブルや、職場での人間関係の悩みなど、日常生活における様々な不満を表す際に用いられます。クレームよりも広い範囲で用いられる言葉と言えるでしょう。

コンプレイン

「コンプレイン」は、英語の”complain”(コンプレイン)を語源とする外来語です。苦情を意味する言葉ですが、「クレーム」よりもフォーマルな場面で使用される傾向があります。

コンプレインとは「フォーマルな苦情」

コンプレインは、丁寧な言葉遣いで苦情を伝える際に用いられます。クレームのように強い要求を含まず、穏やかな表現で不満を伝えるニュアンスがあります。特に、国際的なビジネスシーンや、格式高い場所で用いられることが多いです。 Weblio辞書では、”complain” の例文として、フォーマルな状況での使用例が示されています。

コンプレインは、ホテルやレストランといった接客業でよく用いられる言葉です。例えば、ホテルの部屋の設備に不備があった場合や、レストランで料理の味に不満があった場合などに、「コンプレインする」といった表現が使われます。これらの場面では、丁寧な表現で不満を伝えることが求められるため、「コンプレイン」が適切な言葉と言えるでしょう。

クレーム・苦情・コンプレインの使い分け

クレーム・苦情・コンプレインは、似たような意味で使われることが多いですが、それぞれ微妙なニュアンスの違いや適切な使用場面があります。状況に応じて使い分けることで、より正確に自分の意思を伝え、円滑なコミュニケーションを図ることができます。

状況に合わせた使い分け

商品やサービスに欠陥があった場合は、「クレーム」という言葉が適しています。例えば、購入した商品が壊れていた、サービスの提供に不備があったなど、企業側に改善や補償を求める際に使用します。一方、サービスの質に不満を感じた場合や、担当者の対応に不快感を覚えた場合などは「苦情」という言葉が適切です。必ずしも金銭的な補償や具体的な対応を求めているとは限らず、単に不満を表明したい場合に用いられます。ホテルやレストランで、サービスに問題があった場合は「コンプレイン」が適しています。例えば、料理が冷めていた、部屋が汚れていたなど、サービスの改善を求める際に使用します。お客様に聞こえる状況で使用する場合でも「クレームがあった」「苦情があった」と言うよりは「コンプレインがあった」という表現の方が元の意味や聞いたお客様の心情などを考えると、より適切だと言えるでしょう。

ビジネスシーンでは、顧客や取引先からの意見や要望を「クレーム」として捉え、真摯に対応することが重要です。顧客からのクレームは、企業にとって貴重なフィードバックであり、サービス改善のヒントになります。また、取引先からのクレームは、ビジネス関係を維持・発展させる上で重要な課題となります。社内での不満や意見は「苦情」として伝え、改善策を検討することが重要です。風通しの良い職場環境を作るためには、従業員の苦情に耳を傾け、適切に対応することが求められます。コンプレインは、取引先との契約内容に関する意見の相違や、プロジェクトの進行に関する問題点などを伝える際に使用すると良いでしょう。丁寧な言葉遣いを心がけ、冷静に状況を説明することが重要です。

よくある誤解と正しい理解

クレーム、苦情、コンプレインという言葉は、混同されやすく、誤解も多いものです。それぞれの言葉に対する正しい理解を持つことで、適切な対応やコミュニケーションが可能になります。ここではよくある誤解を解き、正しい意味と使い方を解説します。

クレーム=悪質という誤解

「クレーム」という言葉には、時に「クレーマー」という言葉と結びつけられ、悪質で理不尽な要求をする人というネガティブなイメージが持たれています。しかし、本来クレームとは、正当な権利に基づいた要求や主張をすることであり、必ずしも悪質なものとは限りません。顧客からのクレームは、企業にとって貴重なフィードバックであり、サービスや製品の改善に繋がる重要な情報源です。顧客が企業に改善を求める正当な権利の行使としてクレームを捉えることが重要です。消費者庁のQ&Aも参考になります。

苦情とクレームの混同

苦情とクレームは、どちらも不満を表す言葉ですが、その意味合いには微妙な違いがあります。苦情は、現状に対する不満や不快感を表明することであり、必ずしも具体的な要求や解決策を求めているとは限りません。一方、クレームは、現状の改善や具体的な対応を求める要求や主張を含んでいます。例えば、レストランで料理が冷めていた場合、「料理が冷たい」と伝えるのは苦情であり、「温かい料理に取り替えてほしい」と伝えるのはクレームです。状況に合わせて適切な言葉を選ぶことで、よりスムーズなコミュニケーションに繋がります。

コンプレインの誤用

コンプレインは、苦情の中でも特にフォーマルな場面で使用される言葉です。ホテルやレストラン、航空会社など、サービス業で顧客が不満を伝える際に用いられることが多いです。コンプレインという言葉を使う際には、丁寧な言葉遣いと適切な態度が求められます。カジュアルな場面でコンプレインという言葉を使うと、不自然に聞こえる場合があるので注意が必要です。例えば、友人との会話で「この店のサービスにコンプレインしたい」と言うよりも、「この店のサービス、ちょっと不満だったな」と言う方が自然です。また、コンプレインという言葉は、日本語の「苦情を申し立てる」という意味合いに近いため、単に「不満だ」と言う場合には「苦情」という言葉を使う方が適切です。

これらの誤解を解き、それぞれの言葉の正しい意味と使い方を理解することで、より円滑なコミュニケーションを実現し、良好な人間関係を築くことができます。また、ビジネスシーンにおいては、顧客からのクレームや苦情に適切に対応することで、顧客満足度向上に繋げ、企業イメージの向上にも貢献することができます。言葉の持つニュアンスを理解し、状況に応じて適切な言葉を選ぶことが重要です。

まとめ

この記事では、「クレーム」「苦情」「コンプレイン」の違いについて解説しました。それぞれの言葉の由来やニュアンス、使い分け、対応方法、よくある誤解などを説明することで、より適切なコミュニケーションに役立つ知識を提供することを目指しました。

「クレーム」は企業への要求、「苦情」は幅広い意味合いでの不満の表明、「コンプレイン」はフォーマルな苦情というニュアンスの違いがあります。状況やビジネスシーン、フォーマル・カジュアルな場など、TPOに合わせて使い分けることが重要です。例えば、レストランでの料理の不備は「コンプレイン」、近所の騒音への不満は「苦情」、家電製品の不具合によるメーカーへの返品要求は「クレーム」として使い分けられます。

また、「クレーム=悪質」という誤解は避け、顧客からの声を真摯に受け止め、適切に対応することが大切です。それぞれの言葉への正しい理解と対応によって、良好な人間関係を築き、より良いサービス提供につなげることが可能になります。また、先述の通り我々のようなお客様センターではいかなる場合でお客様からの声は「ご意見」として扱っています。これらの点を理解し、今後のコミュニケーションに役立てていただければ幸いです。

2025年1月30日