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カスハラ認定基準とは?カスタマーハラスメントの実例と6つの判断要素

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近年増加するカスタマーハラスメント(カスハラ)。この記事では、カスハラの認定基準について説明します。曖昧になりがちなカスハラの定義や6つの判断要素(顧客の言動、従業員の苦慮、企業の対応、社会通念、継続性・反復性、業務妨害の意図)を詳しく解説。飲食店、小売店、サービス業、公共機関など、様々な業種の実例もご紹介します。

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カスハラ認定基準とは?カスタマーハラスメントの概要

カスタマーハラスメントの定義

カスタマーハラスメントとは「顧客による従業員への迷惑行為」を指します。厚生労働省は「顧客からの理不尽な要求やクレーム等により、従業員が精神的・身体的苦痛を受けたり、業務に支障が生じたりする行為」と定義しています。単なるクレームとは異なり、従業員の人格を否定するような発言や、業務を妨害する意図を持った行為などが含まれます。暴言や脅迫はもちろんのこと、過度な要求、長時間拘束、必要以上の謝罪要求、プライベートへの介入などもカスハラに該当する可能性があります。

カスハラが社会問題化する背景

カスハラが社会問題化する背景には、顧客の権利意識の高まりや、インターネットの普及による情報拡散の容易さ、そして企業側の対応の難しさなどが挙げられます。顧客はSNSの普及で容易に情報を発信できるようになり、企業は評判を落とすことを恐れて過剰な対応を迫られるケースも少なくありません。コロナ禍の中では、新型コロナウイルス感染症の影響によるストレスや不安もカスハラ増加の要因として指摘されていました。このような状況を受け、企業はカスハラ対策の必要性を強く認識する必要があります。従業員を守り、健全な企業活動を維持するためにも、カスハラへの理解を深め、適切な対策を講じることが重要です。

カスハラ認定の6つの判断要素

カスタマーハラスメントかどうかを判断する際には、以下の6つの要素を総合的に考慮します。これらの要素すべてに当てはまる必要はなく、複数の要素が該当し、程度が著しい場合にはカスハラと判断される可能性が高くなります。

1.顧客の言動が度を越えているか

顧客の言動が、社会通念上、許容される範囲を超えているかどうかが重要な判断基準となります。単なるクレームや要望ではなく、度を越えた要求や暴言、脅迫などはカスハラに該当する可能性があります。

行き過ぎた要求やクレーム

サービス内容や価格を大幅に逸脱した無理な要求や、返金や交換を執拗に迫る行為などが該当します。例えば、飲食店で「無料で料理を提供しろ」と要求したり、小売店で「定価の半額で売れ」と強要したりする行為は、行き過ぎた要求と言えるでしょう。

人格を否定するような発言

従業員の人格を否定するような暴言や侮辱、脅迫などもカスハラに該当します。「バカ」「死ね」といった暴言はもちろんのこと、「お前みたいなやつはクビだ」といった脅迫的な発言も決して許容されるものではありません。

2.従業員が対応に苦慮しているか

顧客の言動によって、従業員が精神的な苦痛を感じたり、業務に支障が出ている場合も、カスハラと判断される要素となります。従業員の心身への影響を考慮することが重要です。

精神的な苦痛を受けている

顧客の暴言や脅迫によって、従業員が不安や恐怖を感じ、精神的に追い詰められている場合は、カスハラに該当する可能性が高いです。不眠や食欲不振、出社拒否などの症状が現れる場合もあります。

業務に支障が出ている

顧客の対応に長時間拘束されたり、他の業務に手が回らなくなったりするなど、業務に支障が出ている場合もカスハラと判断される要素となります。顧客対応に追われ、本来の業務が滞ってしまうことは、企業にとっても大きな損失です。

3.企業の対応に落ち度がないか

カスハラと判断する前に、企業側に落ち度がないかを確認する必要があります。企業側が適切な説明や対応を行っているにも関わらず、顧客が過剰な要求をしている場合は、カスハラに該当する可能性が高くなります。

適切な説明や対応を行っているか

顧客の問い合わせやクレームに対して、企業側が誠実かつ丁寧な説明や対応を行っているかどうかが重要です。誤解が生じないように、分かりやすく説明し、顧客の不安を取り除く努力が必要です。

顧客の要求が正当でないか

顧客の要求が、法律や社会通念上、正当でない場合は、カスハラに該当する可能性があります。例えば、返品期限を過ぎた商品の返品を要求したり、根拠のない値引きを要求したりする行為は、正当な要求とは言えません。

4.社会通念上、許容される範囲を超えているか

顧客の言動が、一般的に見て非常識な言動であり、社会通念上、許容される範囲を超えているかどうかも判断基準となります。時代による変化なども考慮する必要があります。

一般的に見て非常識な言動か

大声で怒鳴ったり、暴力を振るったりする行為は、明らかに非常識な言動であり、カスハラに該当する可能性が高いです。また、周りの迷惑を顧みず、長時間クレームを続ける行為も、社会通念上、許容される範囲を超えていると言えるでしょう。

法的にも問題となる行為か

脅迫や名誉毀損など、法的にも問題となる行為は、カスハラに該当する可能性が高いです。場合によっては、警察に通報するなどの対応が必要になります。

5.顧客の言動が継続的・反復的か

一度きりの言動ではなく、同じ顧客から継続的・反復的に嫌がらせや迷惑行為を受けている場合は、カスハラと判断される可能性が高くなります。

同じ顧客からの度重なる嫌がらせ

特定の従業員に対して、何度も嫌がらせの電話をかけたり、悪質な書き込みを繰り返したりする行為は、継続的・反復的な嫌がらせに該当します。

従業員への執拗なつきまとい

従業員の勤務先や自宅までつきまとったり、SNSで個人情報を拡散したりする行為は、執拗なつきまといに該当し、深刻な問題となる可能性があります。

6.企業の業務遂行を妨害する意図があるか

顧客の言動が、企業の業務遂行を妨害する意図がある場合も、カスハラと判断される要素となります。意図的に業務を妨害しようとする行為は悪質であり、厳正な対応が必要です。

業務を妨害する目的でのクレーム

企業の業務を妨害するために、意図的に虚偽のクレームを入れたり、必要以上にクレーム対応を長引かせたりする行為は、悪質なカスハラに該当します。

企業の評判を落とすための行動

SNSなどで虚偽の情報を拡散したり、企業の評判を落とすような書き込みを繰り返したりする行為も、カスハラに該当する可能性があります。

カスタマーハラスメントの実例

ここでは、様々な業種におけるカスタマーハラスメントの実例を紹介します。これらの事例を通して、カスハラがどのような形で発生するのか、具体的なイメージを掴んでいただければと思います。

飲食店でのカスハラ事例

注文していない商品が届いたと主張し、返金と無料提供を要求

ファミリーレストランで、注文していない料理が運ばれてきたと客が激怒。店員が注文履歴を確認し、間違いがないことを説明したにも関わらず、「証拠を見せろ」「嘘つき」などの暴言を浴びせ、最終的には返金に加えて別の料理の無料提供を要求しました。店員は恐怖を感じながらも、店長の指示で要求に応じざるを得ませんでした。

料理の味付けに文句をつけ、調理担当者を呼び出すよう要求

ラーメン店で、客がスープの味が薄い、麺が硬すぎると大声でクレームをつけました。店員が謝罪し、作り直すことを提案しましたが、「こんなまずいラーメンを作った奴を呼べ」と調理場にいるスタッフを呼び出すよう要求。他の客もいる中で、威圧的な態度でスタッフを罵倒し続けました。

小売店でのカスハラ事例

商品の返品を強要し、店員を罵倒

アパレルショップで、一度着用した衣類の返品を求める客が来店。レシートがないこと、タグが外されていることを理由に返品を断ると、「客を馬鹿にしているのか」「この店は詐欺だ」と店員を罵倒。大声で騒ぎ立て、周囲の客や従業員に迷惑をかけました。

万引きを疑われたことに腹を立て、店長を呼び出して謝罪を要求

コンビニエンスストアで、万引きを疑われた客が激高。店員が丁寧に事情を説明し、誤解だったことを伝えたにも関わらず、「泥棒扱いされた」「名誉毀損だ」と騒ぎ立て、店長を呼び出して謝罪と慰謝料を要求しました。

サービス業でのカスハラ事例

理不尽な要求を繰り返し、従業員を精神的に追い詰める

美容院で、カットの仕上がりに納得がいかない客が、何度もやり直しを要求。従業員が数回に渡り修正を試みたものの、「全然違う」「下手くそ」などの暴言を繰り返しました。最終的に、従業員は精神的に疲弊し、涙を流しながら対応せざるを得ませんでした。

予約時間に大幅に遅れて来店し、遅刻の理由を従業員のせいにする

エステサロンで、予約時間を1時間以上遅れて来店した客が、遅れた理由を「道案内が分かりにくかった」と従業員のせいにしました。謝罪を求め、予約時間通りに施術を受けられないとクレームをつけ、従業員に責任転嫁しました。

公共機関でのカスハラ事例

窓口担当者に暴言を吐き、業務を妨害

市役所で、住民票の発行手続きに来た客が、必要書類が不足していたため手続きができないと説明を受けると、窓口担当者に「役立たず」「税金泥棒」などの暴言を浴びせました。他の市民もいる中で大声で騒ぎ立て、窓口業務を妨害しました。

職員のミスを執拗に追及し、謝罪を強要

図書館で、職員が本の貸出処理を誤ったことに対し、客が激怒。職員が謝罪したにも関わらず、「許せない」「責任を取れ」と執拗に追及し、土下座して謝罪するよう強要しました。

カスハラ発生時の対応策

カスタマーハラスメントが発生した際の対応は、冷静さを保ち、適切な手順を踏むことが重要です。従業員を守るためにも、企業は明確な対応策を設けるべきです。以下、カスハラ発生時の具体的な対応策を解説します。

落ち着いて対応する

カスハラを受けている時は、感情的になりやすい状況です。しかし、感情的に反論したり、興奮した対応をしてしまうと、状況を悪化させる可能性があります。まずは深呼吸をするなどして冷静さを保ち、落ち着いて対応しましょう。相手の言動をそのまま繰り返すのではなく、「おっしゃることは理解しました」「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」といったように、一度相手の言葉を受け止める姿勢を見せることが大切です。早口にならないように注意し、ゆっくりとしたトーンで話すことで、自身を落ち着かせ、相手にも冷静に対応するよう促す効果が期待できます。

状況を記録する

カスハラを受けた場合は、できる限り詳細な記録を残しましょう。日時、場所、顧客の性別、年齢(推定可)、服装などの特徴、発生した言動(暴言、威嚇、脅迫など)、対応した従業員名、対応内容、目撃者の有無などを記録します。ICレコーダーや防犯カメラの映像なども有効な証拠となります。記録は、後の対応策を検討する上で重要な資料となるだけでなく、法的措置を検討する場合にも役立ちます。また、記録を残すという行為自体が、カスハラを抑止する効果を持つ場合もあります。

上司や同僚に相談する

一人で抱え込まず、上司や同僚に相談しましょう。相談することで、精神的な負担を軽減できるだけでなく、他の従業員からの助言やサポートを得られる可能性があります。また、同様のカスハラが過去に発生していた場合は、過去の事例を参考に適切な対応策を検討できます。一人で問題を抱え込まず、組織として対応することで、より効果的な対策を講じることができます。

専門機関に相談する

カスハラの内容によっては、警察や労働基準監督署などの専門機関に相談することも有効です。特に、脅迫や暴力といった犯罪行為に該当する場合は、ためらわずに警察に相談しましょう。また、カスハラによって精神的な苦痛を受けている場合は、労働基準監督署や精神保健福祉センターなどに相談することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。必要に応じて、弁護士などの法律専門家に相談することも検討しましょう。

企業がカスハラ対策としてできること

カスハラは企業にとって大きな損失をもたらすだけでなく、従業員の精神衛生にも悪影響を及ぼします。企業はカスハラ発生を未然に防ぎ、発生した場合には適切に対処するための対策を講じる必要があります。以下に、企業がカスハラ対策としてできることを具体的に示します。

従業員への研修

カスハラへの対応は、従業員一人ひとりの理解と適切な行動が不可欠です。そのため、カスハラに関する研修を実施し、従業員の意識向上とスキルアップを図ることが重要です。

研修内容の例

・カスハラの定義と発生メカニズムの理解
・カスハラに該当する具体的な言動の理解
・適切な対応方法とロールプレイング
・ストレスマネジメント
・相談窓口や報告体制の周知

対応マニュアルの作成

カスハラ発生時の対応をスムーズに行うために、対応マニュアルを作成しておくことが重要です。マニュアルには、対応手順、報告体制、エスカレーションの基準などを明確に記載します。また、定期的な見直しを行い、最新の情報に更新することも大切です。

マニュアルに記載すべき項目の例

・カスハラの定義と判断基準
・対応フローチャート
・記録方法(日時、状況、発言内容など)
・報告連絡相談の窓口
・エスカレーションの基準
・対応時の注意点
・関係各部署との連携

相談窓口の設置

カスハラを受けた従業員が安心して相談できる窓口を設置することが重要です。相談窓口は、人事部、コンプライアンス部、または外部の専門機関などに設置することができます。相談窓口では、従業員の話を丁寧に聞き、適切なアドバイスや支援を提供する必要があります。

相談窓口の運用方法

・相談しやすい雰囲気づくり
・秘密厳守の徹底
・相談内容に応じた適切な対応
・必要に応じて専門家への橋渡し
・相談記録の管理

法的措置の検討

悪質なカスハラに対しては、法的措置を検討することも必要です。警察への通報、損害賠償請求、業務妨害罪での告訴などを検討し、毅然とした対応を示すことが重要です。ただし、法的措置は最終手段であり、慎重な判断が必要です。弁護士などの専門家と相談しながら進めることが望ましいです。

法的措置の種類

・警察への通報(脅迫、暴行、器物損壊など)
・損害賠償請求(精神的苦痛、営業損失など)
・業務妨害罪での告訴
・その他、弁護士への相談

これらの対策を総合的に実施することで、カスハラ発生のリスクを低減し、従業員が安心して働ける職場環境を整備することが可能になります。企業は、カスハラ問題を軽視せず、積極的に対策に取り組むことが重要です。

まとめ

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、企業の従業員にとって深刻な問題です。この記事では、カスハラ認定の6つの判断要素を解説しました。企業は従業員研修や対応マニュアル作成、相談窓口設置、法的措置の検討といった対策を講じることで、カスハラを未然に防ぎ、従業員を守ることが重要です。
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2025年5月31日