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カスタマーハラスメント(カスハラ)の実態~相談窓口は外注した方が賢明な理由~

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カスタマーハラスメント・カスハラという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
言葉だけは知っていても日本は何でも「〇〇ハラスメント」としてしまうのが好きな国だなどと揶揄されることも多いので、逆にあまり気にせず「なにかの嫌がらせ的なアレね」と思っている方も多かったのでは?

今日はそんなカスハラについて書いてみたいと思います。

カスタマーハラスメント/カスハラとは?

このブログでカスハラに初めて触れたのはもう4年半近く前のこと。
カスタマーハラスメント」という短い記事を書きました。

カスハラを一言で言うなら、この記事のとおり、「顧客が企業に対して理不尽なクレーム・言動をすること」です。

この記事から4年半が経ち、今では厚生労働省によって、啓発ポスターや対応マニュアルが作成されるほどメジャーな存在になっています。(参照:「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!

この背景には、令和元年に、労働施策総合推進法等の改正で、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となった際に、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましいとして法的に定められたことがあります。
法律でも決められていることなので、もし知らなかった方やあまり認識していなかった方がいらっしゃったらこの機会に是非覚えておきましょう。

しかし……ハラスメントがメジャーな存在になるというのはあまり嬉しい話ではありませんが、地下に潜って人知れず存在しているよりはいい状況なのではないかとも思えます。

カスタマーハラスメントの最近の傾向

こちらも以前当ブログでいくつかの記事を書きましたが、コロナを堺にカスハラの質が変化してきているように感じます。(カスタマーハラスメントに関する記事の一覧

全体として、『不満発散型のクレーム』が増加しています。

この原因として
1)コロナ期の抑圧された生活の鬱憤によるもの
2)コロナ後、開放された消費とそれを促す国に依るキャンペン(「GoToトラベル」など)
3)再び日常の生活に戻りつつある中のストレス
があると考えています。

上記の1についてはあまり説明をしなくてもご理解いただけると思います。
皆さん我慢を強いられていたので、不満や鬱憤が溜まりそれをカスタマーサポートなどの外部の人間にぶつける。というものです。

上記2につていですが、こちらは、例えば、毎年旅行に行っていた家族がコロナで数年間旅行に行けなかった。その後、久しぶりの旅行なので……と少し奮発をする。さらに、政府のキャンペーンなどで、いつもよりグレードの高いサービスを利用したりする。こうして、主に旅館やホテルなどでトラブルが発生しました。端的に言うと、「いつもより高いお金を払っているんだから、いいサービスをしろ」という要求をするお客様が増えてしまったということです。さらにそこに、久しぶりの旅行や外出で、羽目を外しすぎてしまったという心理も加わっていたかもしれません。

上記3。これが一番わかりにくいかもしれませんが、例を上げると、しばらく在宅で仕事をしていた方が以前通り通勤に戻ったとき、以前は何でもなかった通勤や職場での人間関係が鬱陶しく思われて、以前以上にストレスを抱えてしまう。という状況です。

このような状況から、最近では、『不満発散型のクレーム』が増加しています。
ただ、あくまで、、『不満発散型のクレーム』が増加しているだけで、元々あるその他のカスタマーハラスメントがなくなっているわけでも減っているわけでもありませんので、その点はご注意を。

相談窓口は相談よりも同時に苦情やご意見が多い

弊社のサービスでも「お客様相談窓口」「従業員相談窓口」という言葉を使用していますが、特にお客様相談窓口に関しては、実際は、相談よりも苦情やご意見のほうがずっと多いのが実情です。形式は質問形式だったり、最初から「喧嘩腰」なんていう方はもちろん少ないですが、内容としては苦情である場合が多いです。ただ、その「苦情」の多くがお客様の勘違いや確認不足の場合もまた、多いのですが……。

要するに何がいいたいのかといいますと、最初に説明したような明らかな「カスタマーハラスメント」ではない、話している方も嫌がらせをするつもりはまったくない場合でも、コールセンターにお電話をいただく場合、多くの方が苦情やご意見を「言いたい」からお電話をくださっているということです。

コールセンターの電話オペレーターとして

殆どの方はお電話で苦情をくださる場合でも、丁寧な態度できちんとご意見をくださいます。
そこには全く問題はありません。

しかし、場合によって、丁寧にお伝えいただくあまりに、時間ばかりかかってしまい、お客様のご本心がわからず、対応するこちらも却って困ってしまう場合があるのです。

こうした場合、お電話をくださっているお客様にはおそらく悪意はないのですが、謝るべきなのか、ご案内をするべきなのかがわからないままお話を聞き続けなければならない状況というのは、我々にとっては、「長時間ネチネチ型のカスタマーハラスメント」を受けているのと同様の気持ちになってしまいます。

ですので、丁寧なお言葉で、お気遣いで婉曲表現でお話をしていただけるのはありがたいのですが、コールセンターのオペレーターとしては、苦情の場合、最初からはっきりと苦情を伝えていただいたほうが楽な場合もあります。

このように、カスタマーハラスメント/カスハラには、明確な(悪意のある)わかりやすいカスハラと、悪意のない、わかりにくいカスハラが存在しています。

我々のような電話オペレーターももちろん普通の人間ですので、どちらの場合も少なからず傷つきますし、ストレスを背負ってしまうのですが、実は、心に深く残るのは「見えにくいカスハラ」の方です。

これは特に我々はプロの電話オペレーターとして、強い言葉で苦情を言ってくるような方にあるていど慣れているという一面もあるとは思いますが、悪意のある相手にはこちらは単に毅然とした態度でマニュアルに沿って対応することができるのです。しかし、相手に悪意がなく、しかし、電話オペレーターとしては、カスハラを受けているのと同様の状態になっているときは、非常に対応も難しく、また、あとになっても「本当にあの対応でよかっただろうか」などと思い悩んでしまうこともあるのです。

相談窓口を自社で運営する場合のカスハラへの対応準備の必要性

このように、カスハラにはわかりやすいカスハラとわかりにくいカスハラが存在しています。
わかりやすいカスハラについては前述の厚生労働省の対応マニュアルなどでも多く触れられており、対応準備も比較的容易です。

しかし、このわかりにくいカスハラについて、マニュアルを作成して対応するのはおそらく相当難しいですし、また、今まで話したお客様対応であればある程度可能であっても、従業員相談窓口の場合、さらに難易度が上がります。

ここまで説明してお客様窓口での例の場合、お客様が「丁寧さ」を押し出すあまり、話の本質が見えてこない例で話していましたが、従業員相談窓口の場合、「話しにくい内容」を話す場合が多いので、なかなか本質が出てきません。

特に社内で従業員相談窓口の運営を行っている場合、これが顕著になります。

これは、せっかく設置した従業員相談窓口で悩みを持った従業員が十分悩みの相談ができないという状況も問題なのですが、今回の話題である、聞く側にとっても、非常に大きなストレスを与えることになります。
これは、単に「何の話かがわからないまま聞く」ストレスということではなく、例えば、こうして相談してきていた相手が、十分な相談ができないために、問題が解決できず、会社を去ることになってしまったような場合、その相談を受けていた担当者が大きな責任を感じてしまうということです。

また、このような場合で、周囲の目などもあれば、相談を受けていた側の担当者まで会社を去るという選択肢を選ぶことも大いにあります。これ自体はカスハラへの対応とはまた異なりますが、相談窓口を自社で運営する場合、こうしたことを含めて「相談を受ける側」へのケアや配慮まで会社側で考えて、準備をする必要があるということです。

まとめ

今回はカスタマーハラスメント/カスハラについて、厚生労働省が対応マニュアルを作成するほど社会問題になっていること、悪意のあるわかりやすいカスハラと悪意のないわかりにくいカスハラがあること、そして、わかりにくいカスハラの対応が非常に難しいことをご説明しました。

また、従業員相談窓口を自社内に設置した場合、カスハラへの対応以上に難しい問題が発生する一例も併せてお伝えしました。

カスタマーハラスメントを受けた従業員への対応なども含めて、自社内で相談窓口を運営するのは何かと大変なものです。
もし、自社で相談窓口を運営する上でお困りのことがあれば、ぜひ一度弊社にご相談ください。

2023年4月30日