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「上司を出せ!」に効果テキメン!「激昂型クレーマー撃退 巌流島方式」とは?

カスハラ悪質クレーム炎上予防

「上司を出せ!」と怒鳴り散らし、話が通じない…。そんな激昂するクレーマー対応に消耗していませんか?本記事では、顧客対応のプロも実践する激昂型クレーマー撃退法「巌流島方式」をご紹介します。この方法で、少しでも皆様の顧客対応のストレスを減らすお手伝いができれば幸いです。

「お前じゃ話にならない!上司を出せ!」と激昂するタイプのお客様の特徴

お客様センターや店舗の従業員にとって、理不尽に怒声を浴びせたり、高圧的な態度をとったりする「激昂型クレーマー」への対応は大きなストレスとなります。このようなお客様は、「お前じゃ話にならない!上司を出せ!」と、最初から責任者や権限者との面会を求めてくることが多く見られます。

では、なぜこのような行動をとるのでしょうか?その背景には、いくつかの心理的な要因や顧客側の事情が考えられます。彼らの特徴を理解しておくことで、適切な対応策を練ることが可能になります。

感情のコントロールが苦手

激昂型クレーマーは、その名の通り、怒りの感情をコントロールすることが苦手な傾向にあります。彼らは、商品やサービスに対する不満だけでなく、日常生活で抱えているストレスや不安を、顧客対応の場で爆発させている可能性があります。些細なミスやトラブルを大げさに捉え、感情的にまくし立てることで、自身の怒りを発散しようとしていると考えられます。

自分の要求を通すための常套手段

過去に、大声で怒鳴ったり、上司に対応を求めたりすることで、自分の要求を通すことに成功した経験を持つクレーマーもいます。彼らは、このような行動が有効であることを学習し、あらゆる場面で同様の行動パターンを繰り返している可能性があります。顧客対応担当者を威圧し、要求を呑ませるための常套手段として、「上司を出せ!」という言葉を使いこなしていると言えるでしょう。

企業側の対応に不満

今回の件だけに怒っているわけではなく、かねてから企業側の対応に不満を抱き、不信感を募らせているケースも考えられます。例えば、過去の問い合わせやクレーム対応において、担当者の説明不足や不誠実な態度を感じ、企業全体への不信感を持っている可能性があります。そのため、現場の担当者ではなく、より責任のある立場の人間との話し合いを求める傾向が強くなります。

問題解決よりも、怒りをぶつけることを優先

激昂型クレーマーの中には、問題解決よりも、自分の怒りを相手にぶつけることを優先している人もいます。彼らは、冷静に状況を説明したり、解決策を検討したりすることよりも、怒鳴り散らすことで、自身の不満や怒りを発散することに満足感を得ていると考えられます。そのため、建設的な議論に応じず、感情的な言動を繰り返す傾向にあります。

これらの特徴を踏まえ、激昂型クレーマーには、感情的な対応を避け、冷静かつ毅然とした態度で接することが重要です。彼らの心理状態や行動パターンを理解し、適切な対応策を講じることで、事態の悪化を防ぎ、冷静な話し合いへと導くことが可能となります。

顧客対応のプロが教える激昂型クレーマー撃退法「巌流島方式」

「お客様は神様」という言葉は、もはや過去の遺物となりつつありますが、だからといって、お客様に対して横柄な態度をとって良いわけではありません。しかし、中には、サービスの利用規約や法律を逸脱した要求をしたり、暴言を吐いたりする「クレーマー」と呼ばれるお客様も存在します。このようなお客様への対応は、非常に神経を使うものであり、対応を誤ると、企業の評判を大きく損なう可能性も孕んでいます。そこで今回は、数々の修羅場をくぐり抜けてきた顧客対応のプロである私が、伝家の宝刀ともいえる「激昂型クレーマー撃退法『巌流島方式』」を伝授いたします。

大前提!巌流島方式は「理不尽に怒っているお客様」専用

まず、大前提として、この「巌流島方式」は、あくまでも「理不尽に怒り、感情的になってしまっているお客様」に対してのみ有効な手段であることをご理解ください。たとえば、明らかに企業側に落ち度があり、お客様が正当な怒りを露わにしている場合には、まずは謝罪をし、誠意をもって対応することが重要です。その上で、お客様の怒りの原因を突き止め、再発防止策を講じる必要があります。しかし、中には、サービスや商品の内容とは全く関係のないことでクレームをつけてきたり、店員に対して威圧的な態度をとったりするお客様もいます。このような「理不尽に怒ってしまったお客様」に対しては、通常の顧客対応マニュアルは通用しません。そこで、伝家の宝刀「巌流島方式」の出番となるわけです。

激昂型のお客様はおまたせしてクールダウン

「巌流島方式」の最初のステップは、ずばり「お客様をお待たせする」ことです。怒りが頂点に達しているお客様に対して、真正面から反論したり、言い訳をしたりしても、火に油を注ぐだけです。逆上しているお客様も、多少お時間を置くことで、お客様の怒りも多少は収まり、冷静さを取り戻せるはずです。お客様をお待たせしている間に、社内での情報共有や対応方針の決定など、次のステップに向けた準備を進めておきましょう。

電話は代わるな!掛け直せ!

激昂してしまったお客様に「上司を出せ!」と言われたならば、チャンス到来です!今までであればきっと気が重くなったであろうこの言葉も、今日から変わります。しかし、その場で電話を代わってはいけません。対面の場合も同様で、すぐに上司を呼んできてはいけません。すぐに上司を出すとクレーマーは「自分の言いなりになる人間を連れてきた」と勘違いし、さらにエスカレートする可能性があります。
電話でも、対面でも、今は上司が対応できない旨を伝えて「担当者から折り返しお電話させていただきます」と電話番号をお聞きしましょう。そして、少し時間を置いてから、改めて担当者から電話をかけ直します。電話をかけ直すことで、「相手(お客様)のペースで話す」のではなく「こちらのペースに引きずり込む」ことができるため、主導権を握りやすくなるのです。

参考資料:総務省|令和4年版 情報通信白書

なぜ「巌流島方式」が激昂型クレーマー撃退に効果的なのか?「巌流島方式」の3つのメリット

「巌流島方式」の具体的なメリットを3つ解説して行きます。

メリット1:時間を置くことでお客様も冷静に話をしてくださる

「巌流島方式」では、お客様を一度電話口から離し、時間を置くことで、お客様自身の感情の昂ぶりを鎮める時間を与えます。怒りや興奮といった感情は、時間とともに薄れていく傾向があります。 「怒りのピークは6秒」とも言われており、いかに初期対応でこの6秒を乗り越えるかが重要になります。電話を切って時間を置くことで、お客様は冷静さを取り戻し、より建設的な話し合いができる状態になることが期待できます。

メリット2:論点を整理して無駄な議論を回避できる

電話を一度切って時間を置くことで、対応するこちらとしては、お客様とのやり取りを振り返り、状況を整理する時間を確保できます。これは、お客様の真の要望や問題の核心を見極めるために非常に大切です。 クレーム対応においては、お客様の言葉の裏に隠された真のニーズを汲み取ることが重要です。それにより、的を射た対応が可能となり、顧客満足度向上に繋がります。論点を整理することで、感情的な応酬や水掛け論を避け、建設的な議論を進めることができます。

メリット3:電話をかけ直すので、相手のペースに巻き込まれずこちらのペースで話ができる

ココこそが「巌流島方式」の所以であり、最大の肝です。「巌流島方式」では、こちらから電話をかけ直すため、こちらが主導権を握りやすくなります。これは、お客様のペースに巻き込まれず、冷静かつ適切な対応を心がける上で重要です。また、事前に対応方針や回答を準備しておくことで、よりスムーズで質の高い顧客対応を実現できます。電話をかけ直すという行為は、お客様に対して「あなたの声に耳を傾け、真摯に対応いたします」という意思表示にもなります。さらに、激昂型の人というのは、不意打ちに弱く、相手のペースになると急に大人しくなる方が多いのが特徴です。すべての方が必ずそうであるわけではありませんが、冷静に前向きな話ができる可能性は格段に高くなります。

このように、「巌流島方式」は、激昂型クレーマーへの対応策として有効な手段であると言えます。ただし、あくまでも激昂型クレーマーへの対応策であることを忘れてはなりません。状況に応じて柔軟に対応することが重要です。

「巌流島方式」実践の注意点

非常に効果的な「巌流島方式」ですが、使い方を間違えると逆効果になる可能性もあるため注意が必要です。ここでは、具体的な注意点を3つ解説します。

注意点1. あらゆるお客様に通用する方法ではない

「巌流島方式」は、感情的になって冷静な判断ができない状態のお客様に、まずは冷静になってもらうための有効な手段です。しかし、すべてのお客様に適用できるわけではありません。

例えば、以下のようなお客様には、「巌流島方式」ではなく、通常の対応を心がけましょう。
・冷静に状況を説明し、論理的に交渉を求めているお客様
・企業側に非があり、誠意を持った謝罪を求めているお客様

お客様の状況や言動をよく見極め、「巌流島方式」を適用すべきかどうかを判断することが重要です。

注意点2. 待たせる時間は適切に

「巌流島方式」では、お客様に冷静になってもらうために、一度電話を切って時間を置きます。しかし、この待ち時間が長すぎると、お客様の怒りをさらに増幅させてしまう可能性があります。一般的には、1時間以内を目安にすると良いでしょう。ただし、お客様の状況や性格によっては、この目安が適切でない場合もあるため注意が必要です。例えば、
・「至急対応してほしい」と言われている場合
・過去にも同様のクレームを入れている場合

などは、状況に応じて時間を調整する必要があるでしょう。状況を判断し、適切な時間設定を心がけましょう。

注意点3. 誠意を持った対応を心がける

「巌流島方式」は、あくまでお客様に冷静になってもらうための手段であり、それ自体が目的ではありません。お客様に寄り添い、誠意を持った対応を心がけることが何よりも重要です。電話をかけ直す際には、
「お待たせして申し訳ございませんでした」
「貴重な時間をいただきありがとうございます」
など、まずはお客様に謝罪と感謝の気持ちを伝えましょう。その上で、お客様の言葉にしっかりと耳を傾け、冷静に状況を把握することが大切です。お客様の立場に立って考え、丁寧かつ親切な対応を心がけましょう。お客様との信頼関係を築くことが、最終的な問題解決の近道となります。

これらの注意点を踏まえ、「巌流島方式」を正しく活用することで、お客様とのトラブルをスムーズに解決に導くことができるでしょう。状況に応じた適切な対応を心がけ、お客様満足度の向上を目指しましょう。

参考資料:令和4年版 情報通信白書|総務省

まとめ

どんなお客様であっても、感情的になってしまっては冷静な話し合いはできません。
今回ご紹介した「巌流島方式」は、お客様と対応する担当者双方にとって冷静になれる時間を作り出すことで、建設的な話し合いを可能にするための対応策です。
みなさんが「巌流島方式」を正しく理解し、顧客対応の現場で起こる様々なトラブルが少しでも減ることを願っています。

2024年9月18日